【桃】甘い香りと瑞々しさに溢れた夏のフルーツ

伸びてくる枝に太陽が当たりやすく風通しが良くなるよう、木と木の間隔を十分に空けて植樹。桃にとって最適の環境づくりを基本とし、また、1つの木になる果実の量を調整して1つひとつの果実に養分を集中させることで大玉で濃厚な甘みを持つ桃を育てている。1番美味しい完熟の状態での収穫は、直売所を持っているからこそ可能になったことの1つ。甘みと香りがギュッと詰まった完熟桃を届けるため、実をギリギリまで枝に残して熟れ具合を確かめながら両手で優しく包み込んで収穫。とろけるような食感と品のある味わいが人気の清水白桃をはじめ、時期をずらしながら旬を迎える桃を大切に手摘みし、消費者に届けている。

収穫の時期に木の上で完熟を迎えた果実は最高の美味しさを持つにもかかわらず、日持ちがしないことから出荷ができないため、その実を活かせないかと自社製造のジャムと委託製造のジェラートから加工品の製造・販売をスタート。加工品の製造には果実の品質が不可欠なことから果実のさらなる品質向上を課題とし、“今まで食べたことのない食の領域”を開拓する商品の開発に積極的に取り組んでいる。現在はシロップ（ピューレ）、ジャム、シャーベットの製造を行い、「さぬきマルシェ」をはじめとした様々なイベント出店でも好評を博している。2019年。2020年には『DEAN&DELUCA』ともコラボレーションし、全国の店舗で飯田農園の清水白桃のジャムが販売された。

日当たりと水はけの良い環境作りが美味しい桃とすももづくりのキモ。高みを目指すべく、土づくりや風通しと採光の良い樹形への工夫、木のストレスを軽減する土壌の水分管理と1年を通して細やかに果樹と向き合い、年に1度の収穫に向けて真摯に取り組む。写真のように花を間引き、木に生る数を調整することで一果一果を大きく実らせ、味がのるよう大切に育てている。長い期間にわたって果実を届けられるよう桃もすももも多品種に取り組む。中でも、すももは県下最大の栽培面積を誇る。

お客様の声を直接感じられる場所として、約20年前に県道沿いの園地に直売所を開設。直売所があることによって、より樹上完熟に近い食べごろの桃を収穫することができ、多くの人が甘い香りを漂わせる季節の便りを心待ちにして訪れる場所となっている。また、4代目園主・飯田将博さんが小学生の時に地元小学校の児童による桃の袋掛け&収穫体験がスタート。どのようにして桃が育つのかを子どもたちに体験してもらう食育の場として、桃づくりを通した地域貢献も行っている。