讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE

さつまいものかんころ

伝承の背景

主な伝承地域
小豆島全域

かつて小豆島は、さつまいもの島とよばれるほど、さつまいもの産地でした。水田はあるにはありますが、土庄町豊島地区や小豆島町中山地区の水田は、棚田なので、収量の少ない米を補うために畑作の麦とさつまいも作りに力を注ぎました。おやつはもっぱらさつまいも、弁当にも蒸しいもや焼きいもが入っていたような時代に食べられた加工品が「かんころ」です。

伝承一口メモ

・生芋を洗って、皮ごと薄い輪切りにします。晩秋から冬のよく晴れた日に、寒風のよくあたる場所に、むしろを敷いて並べ、パリパリに乾かします。干すためのむしろが足りなくなれば、民家の屋根の上に、ずらりと並べて干している家も昔は多くみられました。
むしろにかんころを広げたり、取り込んだりするのは、大抵子どもの仕事です。

さつまいもの蔓の佃煮

小豆島では、太平洋戦争中や戦後の食糧難の時代に、身近にあったさつまいものをこれも身近にあったしょうゆを用いて佃煮をたきました。食感はに近く、ほんのりほろ苦い旨みがあります。しょうゆ造りの土地、小豆島だからこそ生まれた加工品です。その後、佃煮は産業として大きな発展を遂げ、今では全国に誇る佃煮の産地になっています。

レシピ

■材料(4人分)
さつまいも 適量(中2個)

■作り方
1. さつまいもを水洗いして、包丁で皮をむく。
2. 縦に8mm厚さに切り、すのこかむしろの上に1枚ずつ並べて天日乾燥する。
3. 1日目は風通しの良い場所で陰干し、その後3〜5日間、日干しする。芋に白い粉がふいてくればできあがり。(乾燥中は雨や夜露にあわせないよう気をつける)

レシピ一口メモ

・さつまいもは、輪切りにして干す農家がほとんどだが、早く乾燥させるために、千切りにして干す場合もある。
・できあがったかんころは、そのままビンなどに詰めて保存し、炊いたり、蒸したり、軽く火にあぶったりして食べます。

<かんころの粉の作り方>
・昔は、石のひき臼を回して粉にしましたが、現在は製粉機を利用して粉にしています。
・粉は、ビニール袋に入れて口をしばって保存します。長期保存をしたい場合には冷蔵庫に入れます。
・かんころの粉を使った 「かんころそば」はこちらを参照。