讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE

カンカンずし

伝承の背景

主な伝承地域
志度町鴨部地区が発祥の地とされ、以後周辺に広まった。志度町のほぼ全域、津田町の一部でも伝承されている。

カンカンずしは、大きな長方形のすし枠でつくる押しずしの一種で、春には具として、瀬戸内特産のさわらを使います。くさび型の締め栓を木づちでカーン、カーンと打ち込み重石をかけることから、この名称がついているようです。一度に大量に作れ、具の魚を強く塩と酢でしめているため、2〜3日は日持ち可能で、保存食としての色合いが濃い米料理といえます。

伝承一口メモ

・さわらのない時期には、新鮮なあじや、このしろを用いることもある。
・昔は、春の市や、秋祭りにも振る舞い料理としてつくられていたようである。
・数日間保存するため、すし飯も少し濃い味付けになっている。

レシピ

■材料(10人分)
米 1升(1.4kg)
さわら 1kg

【合わせ酢】
酢 200cc
砂糖 200g
みりん 50cc
塩 30g

■作り方
1. 活きのよいさわらを3枚におろし、中骨にそって包丁を入れ節にとる。
2. 刺身に切って塩をあて、酢に浸ける。身の中まで白くなるほど酢でしめること。
3. すし箱に葉らんをしき、すし飯を5cmの厚みに詰め、さわらを並べ、さらに葉らんをおき、上ぶたを乗せる。
4. いくつものすし箱に同じ要領で詰め、特製のすし枠に納め、さんをして木槌でくさびを打ち込み、重石をかける。
5. 1晩おき、翌日味がなじんでから切り分ける。好みによりさんしょの葉を飾る。