讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE

たい飯

伝承の背景

主な伝承地域
島しょ部、瀬戸内海沿岸部

取れたての生きのよいたいを丸ごと使った料理で、かつては船で阪神方面へ荷物を運搬して帰る男達へのねぎらいのごちそうでした。また、村の行事や寄り合いの時に、大釜を囲んで小皿に分けながらあつあつを食べるのが習わしでした。ここで紹介するのは、坂出市の王越(おうごし)地区のたい飯で、干したたこ、地場の野菜を使い、砂糖で魚の臭みを消した特徴のあるたい飯です。

伝承一口メモ

・魚はたいのほか、ちぬやすずき、ぼら、めばるでもよく、小豆島では海賊飯、坂出市王越ではたい飯、志度町小田ではぼら飯として食卓を賑わせている。
・魚にしょうゆだけで味をとり、できあがったときにねぎを散らすあっさりとした味付けのたい飯もある。

レシピ

■材料(10人分)
米 1升(1.4kg)
干しだこ 200g
にんじん 100g
油あげ 2枚
濃口しょうゆ 110cc
酒 100cc
水 米の3割り増し
干ししいたけ 5〜6枚
ごぼう 100g
薄口しょうゆ 110cc
砂糖(黄ざら) 200g
のり 少々
たい 25cm位1尾
かんぴょう 50g

■作り方
1. 米は炊く30分位前に洗い、ざるにあげておく。
2. 干ししいたけ、かんぴょうは乾燥したまま小さく切る。にんじんも小さく切り、油あげはせん切り、ごぼうはささがきにして水にさらしておく。
3. 干したこは薄い小口切りにする。
4. 大釜に10人分の水を入れ、2.と3.の材料、洗った米、調味料を加え、よく混ぜる。
5. 上に下ごしらえをしておいた、たいをそのまま乗せ、強火で炊きあげる。
6. 炊きあがってしばらくそのまま20分位蒸らし、たいの骨を除き、身をほぐして混ぜ合わせる。
7. 器に盛り、刻みのりを飾る。