讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE

おちらしあめ

伝承の背景

主な伝承地域
香川県全域(特に東讃地域)

炒った麦ともち米や大豆を、石うすで砕き、すいのう(目の細かいふるい)でおろした粉を、讃岐では「おちらし」と呼んでいます。昔の農村では、おちらしに砂糖を加えあめに加工して、子供のおやつに、あるいは砂糖菓子の代用品として食されていました。形が“かつお節”に似ていることから、地域によっては「かつおぶしあめ」と呼ばれることもあります。さとうきびの産地であり、自宅で砂糖を搾る習慣のあった東讃地域では、あめを作る際、白砂糖(上白糖)ではなく、茶褐色で水分やミネラル分を多く含む「ごみ砂糖(白下糖)」を使うことが多かったようです。

伝承一口メモ

おちらしの原材料となる麦は、その地域で栽培している麦の種類と、密接な関係にある。「小麦」、「はだか麦」などが使われる場合が多い。

レシピ

■材料
おちらし 150g
水あめ 150g
ごみ砂糖(白下糖)(ない場合は砂糖でもよい)  100g
水 20cc
※ほどよい固さのあめを作るため、水を少し加えている。

■作り方
1. バットに、とり粉用のおちらし(分量外)を入れておく。
2. 鍋に、水と水あめ、ごみ砂糖を入れて、なるべく短時間で煮溶かす。
3. 2.の鍋におちらしを入れて弱火で練り上げる。
4. まな板の上で、細長く棒状にして、斜め切りにし、1.のバットに入れ、粉をまぶす。


■参考:おちらしの作り方
麦ともち米を10対3の割合で混ぜ、弱火で根気よく炒り、ひきうすで粉にする。

レシピ一口メモ

おちらしの利用法としては、
・器に、おちらしと塩または砂糖を入れ、熱湯を少しずつ注ぎながら練り上げる。(濃度は好みで調節する。)
・プレーンヨーグルトに砂糖とともに、おちらしを加え、混ぜていただく。
・クッキーの材料として、薄力粉と混ぜて使う。
等、現代風の使い方も工夫できる。