讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE
あさり雑炊
伝承の背景
主な伝承地域
三豊市詫間町
詫間町の三崎半島は、春から夏にかけて、夕方から潮が引く大潮になると大人も子供もカナ(貝を掘る道具)を携えて貝掘りに出かけました。掘ってきた貝に少量の米、畑にゴロゴロなっているかぼちゃをとり合わせて雑炊に仕立てました。少量の米を補って、新小麦を粉にひいたうどん粉(小麦粉)を柔らかく練った落とし込みだんごが入ると、とろみがついて滑らかになり、火傷しないように「フーフー」吹きながら食べたものです。近頃は、小麦粉の落とし込みだんごを入れた雑炊を作る家は少なくなっているようです。夏の土用に掘ってきたあさりを土用貝と言って、これも味がよいものです。土用貝とかぼちゃ、少量の米をとり合わせてたいた雑炊を土用に食べると「目がパッチリ開く」と言われ、夏バテ防止にも眼病予防にも効果があったのでしょうか。
伝承一口メモ
・写真に使用した貝は、殻の色がベージュ色で形がふっくらしております。三崎半島の大浜の海で掘ったもので、土地の人は「テンガイ」と呼んでいます。県の水産試験場に尋ねますと標準和名「オニアサリ」と教えてくれました。礫(いわゆる小さい石ころ)の多い海に住むところから、土地の人が「砂は、はかせる必要がない」と言うように砂をかんでいないのです。アサリと比べて甘みとうまみが強くおいしい貝です。
・たくさんとれた貝は、さっとゆでて身を佃煮にしたり、天日で乾かしたりしておつまみにしました。
レシピ
■材料(10人分)
米 2合(280g)
水 12カップ(米の6倍)
あさり 2カップ
かぼちゃ 400g
小麦粉 100g(水90cc)
しょうゆ 1/4カップ
三つ葉(または細ねぎ) 少々
■作り方
1. 米は研いで分量の水とともに鍋に入れ20分置く。
2. あさりをよく洗い、殻ごと1.に入れ、かぼちゃは2cm角に切って加え 、火にかける。
3. 沸騰すれば弱火にし、8分どおり煮えたところで小麦粉をやわらかくねり、お玉ですくって落としこみ、だんごが煮えればしょうゆで味を調え、青みをちらす。
1. 米は研いで分量の水とともに鍋に入れ20分置く。
2. あさりをよく洗い、殻ごと1.に入れ、かぼちゃは2cm角に切って加え 、火にかける。
3. 沸騰すれば弱火にし、8分どおり煮えたところで小麦粉をやわらかくねり、お玉ですくって落としこみ、だんごが煮えればしょうゆで味を調え、青みをちらす。
レシピ一口メモ
・あさりの砂をはかせる場合は海水(または、3%の塩水)に一晩つけます。
・あさりは殻のまま炊き込むといい味がでます。