讃岐の郷土料理
LOCAL CUISINE

ばらずし

伝承の背景

主な伝承地域
香川県全域

日照りの多い讃岐では、米の収量が少なかったので、すしは「ハレ」の日の最大のごちそうでした。その季節にその土地でとれたものを具の材料にしました。春、秋の祭りや、冠婚葬祭など「なんぞごと」の度に食べられていました。油が貴重品であった戦前は、すしと同様にあげものは「ハレ」の日の料理、農家では菜種を作り、油と交換してもらい大切に使いました。春市のあげものは、下味を付けたたけのこ・ごぼう・れんこん・豆・分厚く切ったさつまいもやこんぶもあげます。小えびやあじ、たこをあげることもあります。最近は見られなくなりましたが、衣に黄色や緑などの色をつけていました。

伝承一口メモ

ちらしずし、ばらずし、かきまぜずしと呼び名はいろいろ。現在では人が集まれば、すし、うどん、あげものは必ず献立にあがるが、それだけでなく日常の家庭料理として作られている。具は、その土地でとれた旬の材料。きゅうりやまぐろの油漬けなどで洋風に仕上げてもおいしい。色つきで衣をよく練った「あげもの」は、見られなくなったが、衣をさっと混ぜた「てんぷら」は短時間にでき、ビタミンなどの栄養素が損なわれにくく、家庭料理として定着している。

レシピ

■材料(4人分)
米 3合(420g)
こんぶ 5cm1枚
酒 小さじ2

【合わせ酢】
酢 60cc
塩 小さじ1強
砂糖  50〜70g

【具】
油あげ 1/4枚
にんじん 40g
ごぼう 20g
しいたけ 3枚
里いも 小2個
れんこん 30g
えび 80g

【飾り】
卵 1個
絹さや 30g
あなご、紅しょうが 少々

■作り方
1. 米はこんぶ、酒を加えて普通に炊く。
2. 具の用意をする。
  ・えびは、塩ゆで、ごぼうはささがきにして水にさらす。
  ・里いもは粗いさいの目切りにして塩もみして水にさらす。
  ・れんこんは小さい小口切り。にんじん、油あげ、しいたけは細かい短冊切り。煮干しでだしを取り、具を薄味に炊いて、ザルに打ち上げておく。
3. 合わせ酢の材料に火をかけ、砂糖と塩を溶かしておく。
4. はんぼ(すし桶)に熱いごはんを移し、合わせ酢を混ぜ合わせる。(この時は、うちわであおいでつやを出す)2.の具を加えて手早くかき混ぜる。
5. 器に盛り、つけ焼きしたあなご、錦糸卵、塩ゆでにした斜めせん切りの絹さや、紅しょうがを飾る。